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アイス-オレーション

 私たちの社会では、とくに男性の場合、泣いてはいけない、痛 めつけられても凛々(りり)しい顔をして、痛みを顔に出してはいけない と教えられてきました。しかし、女性でも、この罠に引っかかっ てしまうことがあります。私たちはみな、二度と傷つけられずに 生き延びるにはフィーリングと感情を押し殺すしかない、と感じ たことも一度か二度はあるはずです。痛みがとくに深ければ、私 たちは自分にさえもその痛みを隠そうとするでしょう。そのため に私たちは凍りつき、硬くなってしまうこともあるのです。氷に 小さな割れ目がひとつできただけでも、その傷が再び解き放たれ、 私たちのなかを巡りはじめる——そのことを私たちは深いところ で知っているからです。この人物の顔に浮かぶ虹色の涙に、 この「アイス‐オレーションi c e - o l a t i o n (凍りつき、孤立すること)」を打破する鍵があります。涙が、涙だけが、氷を溶かす力 をもっています。泣いていいのです。そして、自分の涙を恥ずか しがる理由はなにもありません。泣くことは私たちが痛みを手放 すのを助け、私たちが自分に優しくなるようにさせ、最後には自 分を癒すのを助けてくれます。
 私たちが惨めなのは、あまりにも自己に入り込みすぎて いるからだ。あまりにも自己に入り込みすぎていると私が 言うとき、それはどういう意味だろう? そして、私たち があまりにも自己に入り込みすぎていると、正確にはなに が起こるのだろう? あなたがたは存在のなかにいること ができるか、あるいは自己のなかにいることができるか、 そのどちらかだ——同時に両方はありえない。自己のな かにいるということは、離れている、わかれているという ことだ。自己のなかにいることは、島になるということだ。 
 自己のなかにいることは、自分のまわりに境界線を引く ということだ。自己のなかにいることは、「これは私」と 「あれは私ではない」を区別することだ。「私」と「私では ない」の定義、境界、それが自己とはなにかだ——。自 己は孤立(アイソレート) する。そして、それはあなたを凍りつかせる—— 
 あなたはもはや流れていない。もし流れていたら、自己は 存在することができない。人びとがほとんど角氷(アイスキュ-ブ) のようになっているのはそのためだ。彼らには暖かみがまるでな い。愛がまったくない——愛は暖かみであり、彼らは愛 を怖れている。もし暖かみが訪れたら、彼らは融けだし、 境界は消えてしまうだろう。愛のなかで境界は消える。 
 喜びのなかでも境界は消える。喜びは冷たくはないからだ。
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